13の徳目。
ベンジャミン・フランクリン
最近読み始めたのですが、尋常小学校の修身の教科書には、
自立自営や規律正しくあることの教えの中において、
フランクリンという名前が出ています。
7つの習慣で知られる、フランクリン・コヴィー社の、
フランクリンのことです。
正しくは、ベンジャミン・フランクリン。
アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられる人物で、
「フランクリン自伝」はアメリカのロングベストセラーとなっています。
日本で言うところの1万円札ですね。
新一万円札の肖像画となる渋沢栄一も、「自立自営」の教えの中に、
出てきています。
少し話がそれましたが・・・
フランクリン・コヴィー社は、元々は2つの会社が合併して出来た会社です。
フランクリン・クエスト社がその一つで、
フランクリン・プランナーというシステム手帳をメインに販売していました。
創業者が、「フランクリン自伝」の中にある『13徳』と、
その実現の為に使った小さな手帳を参考にして作ったのが、
フランクリン・プランナーです。
13の徳目
自伝によると、
「道徳的完全に到達する大胆で難儀な計画」を
実行するために必要な自らの信念を13の徳目にまとめたとあります。
私達、日本人にとってはあまりピンとこないことかもしれませんが、
この13の徳目にこそ、成功の秘訣が隠されているのです。
節制:
飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
沈黙:
自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
規律:
物はすべて所を定めて置くべし。
仕事はすべて時を定めてなすべし。
決断:
なすべきをなさんと決心すべし。
決心したることは必ず実行すべし。
節約:
自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。
すなわち、浪費するなかれ。
勤勉:
時間を空費するなかれ。
つねに何か益あることに従うべし。
無用の行いはすべて断つべし。
誠実:
詐りを用いて人を害するなかれ。
心事は無邪気に公正に保つべし。
口に出ですこともまた然るべし。
正義:
他人の利益を傷つけ、
あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
中庸:
極端を避くべし。たとえ不法を受け、
憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
清潔:
身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
平静:
小事、日常茶飯事、
または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
純潔:
性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、
これに耽(ふけ)りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、
または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
謙譲:
イエスおよびソクラテスに見習うべし。
私達日本人が、普段は口にしないような言葉が並びますが・・・
修身の教科書においては、純潔を除いた、
12の徳目について教えていたのです。
今の日本人にとっては、「古くさい言葉」に感じるかもしれませんが、
SNSが発達した現代において、ソーシャルスキルを高めるためには、
必要なことであると思います。
ソーシャル・スキルの欠如
昨今のSNS上での誹謗中傷問題の根底にあるのは、
ソーシャル・スキルの欠如も一つの要因と感じます。
匿名だからと言って、事実に基づかないことで、
他人を攻撃したり、陥れることは、結局は自分に返ってきます。
2つ目の徳目の、
沈黙:
自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
が身についていたとしたら、自分の発言に注意して、
不用意なことは言わないと思います。
SNS上では、全世代問わず、誹謗中傷が溢れ、
罵詈雑言の応酬になっていることが多々見受けられます・・・
13の徳目は「古くさい言葉」かもしれません。
しかし、「古きをたずねて、新しきを知る。」のとおり、
古い教えから新しいことが生まれることもあります。
温故知新
「温故知新」の温は、
復習するや温めなおして味わうの意味があります。
コロナ災禍で人々の心が荒んできている現在、
改めて、この13の徳目に触れてみてはどうでしょうか???
次回は、第一の徳目である節制について、お話できればと思います。
以上、お読み頂きありがとうございました。