勤勉…歩きスマホと二宮金次郎。
第六の徳目
第六の徳目は、
「勤勉」
時間を空費するなかれ。
常に何か益あることに従うべし。
無用の行いは断ずべし。
です。
辞書によると勤勉とは、
「仕事や勉強に一生懸命に励むこと。またそのさま。」
とあります。
勤勉の対義語は「怠惰」や「怠慢」となります。
怠惰は、
「すべきことを怠けて、だらしない性質、様子。」
怠慢は、
「怠けて、仕事や義務を怠ること。」という意味があります。
勤勉の象徴
昭和世代にとっての勤勉の象徴と言えば、
最近は、歩きスマホを意識してか、
座って本を読む像もあるようですが・・・
修身の教科書にも勿論載っていますし、
小学校で像を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
若い世代だと、地獄先生ぬ~べ~のエピソードを思い浮かべるかもしれません。
今年、初めて映画になったようです。
名前は知っていても、
具体的にどのような生涯であったかを語れる人は、
少ないかもしれません。
二宮尊徳は若い頃に両親を亡くし、叔父の元に身を寄せますが、
ある夜、明かりをつけて本を読んでいると、叔父から
「お前は誰のお陰でご飯を食べれると思っているのだ、油が勿体ないではないか」
と言われてしまいます。
【夜具YAGU展 開催中!】日没後の必需品である灯火具には知恵と工夫が満載。中でも枕元に置く有明行灯(ありあけあんどん)は美と用を兼ね備えた明かりです。満月や三日月の形に窓を開けたカバーに火袋を収め、向きによって光量を調節しました。
— ICU湯浅八郎記念館 (@ICU_museum) 2019年9月13日
今日は十五夜。展示室での「お月見」をお楽しみ下さい。 pic.twitter.com/70LhDG7UPJ
江戸時代には行灯という、箱型の木枠に和紙を貼って中に油を入れた皿を置き、
灯心に火を灯すことで明かりを得ていました。
その油が勿体ないと言われてしまったのです。
そこで金次郎は、空き地に菜種を植えて、出来た菜種と油を交換して、
それを使って明かりを灯し、本を読みますが、今度は、
「お前の時間は俺の時間だ。百姓に学問はいらない」と言われてしまいました。
まるで、ジャイ○ンみたいです・・・
そこで金次郎が考えたのが、
像になっている薪を背負いながら本を読むことなのです。
やがて叔父から独立した金次郎は、勤勉と倹約に励み、
24歳の頃に自分の家を再興し、裕福になっていたのです。
そのことが、小田原藩士服部家の耳に届き、
財政の立て直しを依頼され、それに成功しました。
その後は小田原藩の分家である桜町領の再興を依頼されたりして、
その生涯において、615もの村々を立て直したと言われています。
二宮尊徳の教え
二宮尊徳は人々に、
- 勤労…徳に報いて働くこと
- 分度…収入の範囲で支出を定めること
- 推譲…勤労、分度で貯まったものを将来の備えや人の為に使うこと
を勧めました。現代の私達にとっても大切な教えだと思います。
また、積小為大や五常講を説いています。
積小為大とは、
小さい事が積み重なって大きな事になる。
だから、大きな事を成し遂げよう思うなら、
小さい事をおろそかにしてはいけない。
ということです。勤勉を生きた二宮尊徳らしい言葉です。
五常講とは、
儒教の定める5つの徳、「仁・義・礼・智・信」を守ることを条件とする、
道徳心を担保にした金融機関のことです。
『お金の貸し借りの旋回の過程で、「仁」のこころをもってそれぞれの分度を守り、
多少余裕のある人から困っている人にお金を推譲し借りた方は
「義」の心をもって正しく返済し「礼」の心を持って恩に報いるために
冥加金を差し出すなど心を配って人に接し、「智」の心をもって借りた金を運転し、
「信」の心を持って約束を守る、すなわち「仁義礼智信」の
「人倫五常の道」を守ろうというのである。』
と説明されています。
幼少からの自身の経験において、勤勉と倹約を身に着け、
それを自分のためだけではなく、他者の益の為に使う。
流石に教科書に載るような人物です。
勤勉と二宮尊徳
フランクリンの勤勉の徳目を二宮尊徳に当てはめると、
- 時間を空費するなかれ。
二宮尊徳は、薪を背負いながら本を読みました。
- 常に何か益あることに従うべし
行灯の油を得るために、空き地を利用し菜種を植え、油と交換しました。
- 無用の行いは断ずべし。
仕事や勉強に一生懸命励み、倹約を心がけました。
その結果が、家の再興であり、小田原藩での功績になるのです。
私達は、努力することを嫌い、楽をしようとすることが多いです。
しかし、努力を嫌い、やるべきことを後回しにすれば、
それは自分に返ってくるだけではないかと思います。
若ければ若いほど、日々コツコツと積み重ねることを大事にしなければなりません。
ずんの飯尾さんの、現実逃避シリーズのように、
「平日の昼間からゴロゴロ~ゴロゴロ~」していても、奇跡なんて起きないのです。
英雄と凡人
ロマン・ロランは英雄と凡人の違いについて、
英雄とは、自分のできることをした人だ。
凡人は自分のできることをせず、
できもしないことをしようとする人だ。
と言っています。
自分のできることもせず、ただ楽して儲けようとばかり考えてる人には、
SNSの正しい活用もできる筈ができないですし、有益なアイデアなんて、
閃くはずがありません。全ての道に共通していると思いますが、
近道なんてないのです。情報商材は、その近道があるように見せてはいますが、
なんてことはない、ただの茨の道や最後は断崖絶壁なだけなのです。
情報商材を購入する際には、
「情報商材 規制」でググった一発目の、
エビデンスは確かです。学生であれ社会人であれ、
今自分が与えられた本分をしっかりと弁えて、勤勉に励みましょう。
次回は第七の徳目、「誠実」についてお話したいと思います。
以上、お読み頂きありがとうございました。