目標と壁。
目標と価値観の壁。
藤本隆一さんの『成功者は知っている』を通して
価値観のお話を何度かやってきましたが、
価値観は人によって千差万別です。その基準も個人差があるでしょう。
自分の価値観の基準を判断するために、有効なのが目標設定です。
ここでは、金銭的な目標を扱ってみますが、
図のように3つの壁とお金がありますが、
それぞれには壁が存在しています。
人によって、感覚は違うとは思いますが、
目標が低い段階では、壁は低くそして薄いです。
ですから簡単に乗り越えることができるでしょう。
しかし、その目標が大きくなるにつれて、
壁は高くそして厚くなっていきます。
実生活で例えてみると、最初の壁というのは、
私達が普段暮らしている世界です。
ごく平凡なありふれた生活です。
壁の内側にあるものなら、
さほど苦労しなくても手に入れることができます。
しかし、手に入るものは限られています。
人間という生き物は、普段の生活では手に入らない、
壁の外にある物を手に入れたい欲求にかられるものです。
壁を乗り越えようとしたり、壊そうとしますが、
壁は簡単には乗り越えたり、壊したりできません。
そして努力もせず、諦めることもできないので、
『手に入れば良いな』とぼんやりと思っている人が沢山いると思います。
あぶく銭
極稀ではありますが、自分で壁を乗り越える力や壊す力がないのに、
壁の外の物を手に入れることができる場合があります。
宝くじなどの高額当選で大金を手にした時などです。
人間はこのような状況になることを「運が良い』といい、
自分がそのようになればと、強い願望を持ちますが、
このような状況で手にしたものは、必ずしも望ましい結果とは
言えないことが多いようです。
引用記事では、
『人間の浪費というものは一回始まるとなかなか止まらないものなんですね。
普段、2000円の寿司を食べている人が、宝くじが当たって
「自分へのご褒美」などといって1万円の寿司を食べたとしましょう。
ところが美味しいものを食べた時に出る脳内麻薬は、
寿司の金額が5倍になっても、比例して5倍になることはありません。
「あれ、おかしいな。じゃあ3万円はどうだろう」と、
すぐエスカレートしてしまいます。
クルマ、旅行、宝飾品……。浪費はどんどん膨れ上がり、
周囲からすぐに「何かあったな」と勘繰られるようになるはずです。』
というような、当選後の金銭感覚の変化が紹介されていました。
物理的に考えても、壁の外の物を壁の内側に居ながら手に入れることは不可能です。
壁の外の物を手に入れるには自分が壁の外に出なければならないのです。
突然の大金などは、自分の実力や能力とは関係なく、
キャパを大幅に超えているので、度々人間を破滅へと導いてしまうものです。
今までに自分が経験したことがない世界に投げ込まれてしまうわけですので、
そこにあるのは、未知の不安と恐怖だけとなります。
ペーパードライバーが、いきなり高速道路で運転するようなものです。
教習所で高速教習を受けていたとしても、すでに忘れているでしょうし、
何の練習もしないで車道を走ること自体も危険な行為です。
宝くじなどで大金を手にした場合に起こる悲劇の多くは、
このような状況なども一因だと思います。
順応力。
偶発的な出来事というのは、良いことでも悪いことでも、
人生においては度々起こります。
そういうことの繰り返しによって、人生は面白く、
そして、充実したものになっていくのだと思います。
大切なのは、偶然が起きる起きないに関わらず、
常に自分が住んでいる世界を制限している壁を壊す努力をしているかです。
そして偶発的なことに自分が遭遇した時に、そのことに順応できるよう、
自分の実力がそれに対応できるようになるために、一層の努力をすることです。
向上心や努力というのは、勉強と同じように習慣です。
今日いきなり始めた所ですぐに身につくものではありません。
外の世界に興味を持つ。
現状の世界に満足せず、新しい外の世界に興味を持つというのは、
人間として当然の欲求だと思います。
この好奇心がなければ、人間は他の動物と一緒で進歩しなかったでしょう。
人間は度々壁によじ登り、外の世界を眺めます。
外の世界というのは、自分がこれまで経験したことがない、
希望あふれる世界であると共に、不安の世界でもあります。
この状況で外に飛び出してみても、不安のほうが大きくなり、
結局は元の世界に戻ってしまいます。
この時に、「外の世界は不安な世界」と意識を持った人は、
再び外の世界に飛び出そうとはせずに、自分の壁の中に留まるでしょう。
その不安を消し去らない限りは・・・
壁の外の物は、壁を乗り越えたとしても元の世界には持ち帰れません。
壁を壊す。
壁を打ち壊すためには、一点に力を集中して何度も何度も壊そうとしなければ、
壁を打ち破ることは不可能です。その一点が、『自分の信じること』です。
大抵の人は、『壁を自分自身の力で壊すのはムリ!!!』
と諦めてしまいます。
ハンマーで岩を壊すのを見たことがある人ならわかると思いますが、
何度も何度も叩いても岩は崩れませんが、ある時に一気に崩れることがあります。
そこれまでの回数は、何十回、何百回もしかすると何千回かもしれません。
岩を崩したのは最後の一撃でなく、一見無駄のように見えていた。
それまでの何十回、何百回という打撃が効いているということです。
『価値観の壁』を壊すというのはこのことと同じだと言えます。
壁を壊すというのは、大変な作業ですが壊した壁は元には戻りません。
こうして、価値観は広がり人間的に成長できます。
自分が人間的に成長すると、
自然と自分が望むもの手に入れられるようになるのです。
壁に終わりはない。
壁を突き破った所で見えてくるのは何でしょうか?
そう、新しく広がった世界とその先には更に大きな壁が見えます。
その壁は新たな価値観の基準となるわけです。
子供の頃には、大金と思えた額でも、
仕事をするようになったら大した額と感じなくなっていたり、
とあるキッカケで、大事にしていたものに価値を感じなくなったりと、
人間の価値観というものは、変化していくものです。
また、自分には取って足りないものでも、
別の人にとっては大切なものだということもあります。
自分の物差しで図ることをせず、他者を尊重しつつ、
価値観の幅を広げていきましょう。
最初の目標がどんなに低いとしても、歩幅が小さいとしても、
毎日の努力の積み重ねによって、着実に成長を続けることで、
目標へと近づき求めるものが大きくなります。
そして、歩み続けることで地力もついて、
そのペースは上がって行くでしょう。
筋トレと同じで、自分のペースで着実に続けたものが、
大いなる目標を達成することができるのです。
愚直に自分ができることを続けてみましょう。
以上、お読み頂きありがとうございました。